CEDEC2010-アジャイルは使い物になるのか?をまとめた

会社のレポートついでにまとめたのでアップしておく。Togetterにしかログがなかったので、参考になれば。
Wordからそのまま持ってきているのでちょっと見づらいかも?

[要点]

アジャイルはやりたい人がやればいいんじゃない?

[参加者]

SCE豊田:タイトルファシリテーション課課長
SCE佐藤:プロダクトオーナー
SCE外山:ディレクター
NBGI松本:プロジェクトファシリテーション
立命館大学 米光:アジャイルってなんですか?な人。

[内容]

アジャイルとはなんぞや。

 −プロセス定義が現場寄り。

お題1:アジャイルを導入して後悔したことはありますか?

 −全員一致でなし。Scrumには振り返りの時間があり、それによって後悔したことを改善するため、その時点でなくなっているということ。
 −ただし、いくつか問題はある。
松本:チームにScrumに対する理解が及ばない
豊田:考えることが大きくなった
外山:バックログ(要はタスクリスト)がひっちゃかめっちゃかになった。ただ、やはり振り返りがあるのはよいことで、これにより物理的な壁がなくなった。(メンバー間の壁は不要だ!という振り返り結果がまとまり、会議後みんなの手にはドライバーがあったらしい。)

米光:プロダクトオーナー(何やるか決定権を持つ人)っていやじゃないですか?だって現場で決めていくのが一番いいじゃん!王様はいらないよ!
松本:現場とプロダクトオーナーが調停する場は必要。調整はそこだけではなくて、納期ともだし、チーム間でもそういった場は必要。
外山:反論が一つでもあったらやらない。そうやって、みんなの意見を統括している。

お題2:アジャイルに取り組んで日頃の仕事はどう変わった?

豊田:やっている作業自体にかわりはない。ただし、作業のやり方は変わった。他に変わったところは、長いMTGがなくなった、誰々がやってくれないがなくなった。など。
外山:使うツールが変わった。具体的にいえば、エクセルからポストイットとマジックとカッターナイフに変わった。これは情報発信を目に見える形で行ったほうが良いという振り返りから。エクセルで書いてあるものをプリントアウトして、切って壁に貼っていく。例えばスケジュールとか。そうすると4mくらいになる。
   あとは、チームに何を考えているかわからないと言われなくなった。自分のニュアンスもアナログならではで伝わっていくのが良い。
佐藤:同じことをやったのですが、エクセルでプリントアウトしたものだと「魂が伝わらない!」とメンバーに言われ、結局マジックで書いている。また貼りつけ方で重要さも分かってくる。例えば優先度低いものは端っこの方にあるし、高いものはど真ん中に大きく書いてあるなど。
松本:個人の価値観も関わってくるのですが、指示待ちがなくなりました。以前は上の人が決めたことをやればいい、というのがなくなった。これは振り返りの効果です。ただ、作業を振る人の仕事がなくなってしまうのですが(笑)

米光:指示待ちという点についてだけど、やりたいことがあればやる人がいるから、その人にやらせるのが一番いいよ!会社とかって構造がダメなんだよ!SNSで人集めて、こういう事やりたいなーっていったら勝手に動いてくれるからソッチの方が絶対いいね!今回電子書籍の本を書いたけど(http://www.amazon.co.jp/dp/4844329049/)、これも喋っただけでぼく一言も書いてないからね!SNSで集めた人が、米光さんのその話絶対に本にしたほうがいいです!っていうから、勝手にメモされて勝手に出版されちゃった!でも、そういったところってアジャイルと似ているのかなって思う。
※ちなみにこの本の内容は電子書籍を読む態度や、仕事や、世界がどう変わるかとか、電書部の活動をどういうふうにやってきたかについての本になってます。

お題3:アジャイルを導入して残業とか休日出勤は無くなりましたか?

豊田:ゼロになったとは言えないが、減ったと思う。
佐藤:自分自身は確実に増えた。チーム自体はよくなった。
外山:わからない。が、スプリント中(一つの開発期間の単位。例えば1週間とか2週間とか。)のタスクは自分で決めたタスクなので、終わらない場合は作業者にもプライドがあって、残業してやる、ということはよくあるパターン。
松本:いぜんとして有ります。バックログの大きさとチームスキルに相違がある場合。本当だったらスケジュールを調整すべきだが、ここには政治が絡んでくるので難しい。

お題4:プロダクトバックログの目標&設定の具体例と尺度は?(要はタスクリストを作った時のタスクの粒度はどの程度にしていますか?という質問)

佐藤:ユーザーストーリー(ある機能がなぜ必要で、その機能はどういったものなのかを決めるための定義)の粒度を決定するのは難しかった。ここはチームとの調整を行っていった。
外山:ユーザーストーリー上で紙芝居という場面を設定したとき、まずは「絵を出す」という項目を作った。「絵を出す」という項目だけでは、表現方法・実装方法ともに非常に多岐にわたってしまうので、PGが困って質問に来ました。こういった形で、バックログの粒度は間違っていた場合でも、それが必ず質問となってくるので、バックログは話のきっかけでしか無いと考えています。

お題5:アジャイルを試してみたい後輩たちにむけて一言

松本:試すことで何がしたいのか、チームメンバーと調整をすること。それがしっかりしていなければ、初めても余り効果はないかもしれない。
米光:「誰でも作れる電子書籍」を読めばいいよ!そこにぼくが書いてある組織論が書かれています。
外山:難しく考えずにまずはやってみることがいいのではないでしょうか?
佐藤:問題意識がなければ無理に始める必要もないと思う。もし始めるなら、2週間は捨ててやる!位の気持ちがないとおそらく始める準備はできないでしょう。
豊田:松本さんと同意見。ただ、まずはやってみることをおすすめします。