カンブリア宮殿(奥山清行さん編)を見て

昨日彼女に薦められてカンブリア宮殿って番組を見た。かなり共感できる部分&再認識された部分があったのでメモ。うちの会社全社員に見せてもいいんじゃないかこれとか思った。

まず、奥山清行さんの説明から。これはWikiでも張っとくかな。簡単に言うと、日本人のカーデザイン界トップの人です(現在はカーデザインのみに当たらず)。

奥山 清行(おくやま きよゆき、1959年 - )は、日本の工業デザイナーで、世界的な自動車デザイナーとして知られる。日本以外では「ケン・オクヤマ(KEN OKUYAMA)」の名前で活動している。イタリアピニンファリーナ社デザインディレクターを経て2006年9月に独立。イタリア在住。

http://ja.wikipedia.org/wiki/奥山清行

で、いろいろと参考になった部分を引用。

  • デザイン(アイディア)はあらかじめ準備しておくもの
    • 会議なんかで考えるものでベストな結果をだせるわけがない。
    • 普段からデザインを書きためておく事で、こういう場合にはこのデザインがある!というのを提案できる。
      • やれといわれる前にやっておく。
      • 例えば1万個のデザインを提案して、その中から1つだけが選ばれる場合でも、残りの9999個は次のデザインの種や、アイディアそのものになる。
    • 頭の中のイメージを描写しているときに手はそのままそれを書くことができないが、手が誘導したイメージにこそ素晴らしいイマジネーションが隠されている時がある。
  • 自分たちにしかできないことをやれ
    • モノに対する付加価値をつける。
    • 特許とかとらなくてもマネできないものを作る技術を持つべし。
      • ここはIT業界は少し厳しいか?
  • マーケットを日本に絞るな
    • 日本の中小企業は大企業の下請けになりきっている。
    • 自分たちの手で直接マーケティングしにいくことにより、製品に関するリターンを得ることができる。
      • 大企業の下請けになってしまうと、企業の購買担当者からコスト単位で製品を見られてしまう。
  • モノを作ることは何かを破壊しているということ
    • この考えにはハッとさせられた。
  • 敵を作れ
    • 自分たちの仲間だけでやっていると客観的評価が得られず、主観的評価のみのエゴが強い製品になってしまう可能性がある。
    • 外の目や内部に敵をつくることで、主観的評価のみでなく、客観的評価を得られるようにする。
      • 敵は才能のある部下や自分より出来る人になってもらうのがベター。それにより、自分では気づかない部分を気づかせてもらうことができる。
  • コルセットはつける時より、はずす時が大変
    • マネージメントをすると、ついつい全てを見てしまいがちだが、軌道に乗ってきたら任せてみないと、いつまでたっても手が離せなくなってしまう。
      • 個人的に勉強会とかやりながら実感中。ただ、やる気のある人であればまず自分が見本を見せてやってあとは任せてみると結構やっていってくれる。

こんなところでしょうか。奥山さん自身思っていることとして、デザイナーとしてモノを作ることが出来る人はたくさんいるが、それをアイディアの段階からマネージメントし、人を集め、最終的に完成させる、要はプロデューサーみたいな人が本当は必要なんだ、とおっしゃられてました。これは自分もかなり共感できる点で、ゲーム開発の現場として、モノを作るためのマネージメントが出来る人や先を見通して手を打っておく必要性というものをすごく感じています。将来的には現場に立ちつつそういうことも見ていきたいとも思っていたりしています。

もう1点として、奥山さんの山形での生産物を見て、やる気の出た人は少しずつやってみればいいよね!って話がありましたが、確かにそのとおりなんですが、現場が切羽詰っていたりして、そういう状況になかったり、仕事を仕事として認識しすぎているとそういう気が起こらなくなってきたりするのも事実かと思えます。そこまで自由に場所を使っていい職場というのもそうそう多くなさそうですし。そういう場合には、まず職場の意識改革が必要なのですが、これはかなりエネルギーのいる行動なので、人によっては別の場所に逃げる必要もあるでしょう。逃げる場所がない場合というのも多い気がしますが。ここはなかなかに難しい問題です。
幸い自分が勤めている会社は自由な社風をモットーとしていますので、そのあたりは一歩踏み出す勇気があれば実践できるので非常にいい環境だと思っています。

うちの上司によく言われるのですが、会社の中で実際に会社の役に立つ仕事ができる人ってのは全体の20%だとよく言われます。個人的には確かにそれもそうかもしれないと思うのですが、上述のやる気のある人で出来ない人を持て余すのは非常にもったいないことだと思っています。自分も「やる気あり・できない」属に当てはまるのだと思いますが、元気があれば何でも出来る!じゃないですが、やる気のあるやつは突っ走って転んで、そこから色々学んでいきます。ちゃんと見るべき人が見ていれば立派に育つものと思っていますので、現在の自分の役割としては、自分の周りで、20%を如何に増やしていくかだと思っています。

そういう意味でも今回のこの番組で、一流の人のモノづくりに対するスタンスを学べたことは大いに役に立てていきたいと思いました。